以前、ILではゼネラルアサヒさんの協力で3Dスキャン体験会を行いました。(そのときの記事はこちら)
今回は、そのときにスキャンした頭部データとphotoscanで作成した頭部データを比較したいと思います。
以前イベントにてスキャンした頭部データ、photoscanで作成したデータ(設定はhighとLow)をMayaで読み込みました。
左からPS Scanner SPEC(イベントで使用した頭部スキャナー)でスキャンしたデータ、photoscan のLowデータ、photoscanのHighデータとなります。
下の表は、各モデルの頂点数、ポリゴン数のデータになります。
PS Scannerデータ | photoscan Lowデータ | photoscan Highデータ | |
頂点 | 125024 | 9570 | 27491 |
エッジ | 247800 | 28054 | 81425 |
フェース | 122752 | 18500 | 53990 |
三角ポリ | 245504 | 18500 | 53990 |
photoscanとScannerによるモデルの大きな違いは、ポリゴンが3角か4角というところにあると思います。photoscanで作成したデータはフェースとポリゴンが同じ値です。これはモデルが3角ポリゴンで構成されているからです。一方、Scannerで作成されたモデルデータは4角ポリゴンで構成されています。
各モデルのフェースを見てみると、Scannerで作成されたモデルはきれいな4角ポリゴンで構成されていて、かつ、ポリゴンの流れがきれいです(図1)。もちろん、UVもきれいに開かれています。
photoscanで作成されたデータは3角ポリゴンで構成され、表面も凸凹しています。ポリゴンの流れもそこまできれいとはいえません。ポリゴン数はScannerデータよりは少ないですが、そのままこのデータを近影で使いたい場合には、サブディビジョンをかける必要がありそうです。
Lowデータ(図2)、Highデータ(図3)では、ポリゴン数は3倍ほど違います。モデルもHighで出力したものはポリゴンが細かく、凹凸が滑らかになっています。ただ、ポリゴンの流れはHigh、Lowともにあまり違いがみられません。
今回、以前行ったイベントで作成したときとほぼ同じ条件(服装は同じ、体系もそんなに変わってないと思います)で3Dモデルを作成し、Scannerとphotoscanの精度について比較してみました。
やはり、Scannerで作成されたモデルはきれいです(実際に映画でも使用されています)。あと撮影時間が15秒というのもきれいにスキャンできる要因だと思います。
photoscanの素材写真を撮影するのに、今回は複数人で位置を換えながら撮ったため、撮影も数分かかっており、その間に被写体は動いてしまいます。そうすると、どうしても精度が落ちてしまいます(図の鼻頭がへこんでいるのは、そのためだと思われます)
実際に、使用事例だと、大規模なリグと1眼カメラを数十台使用して撮影しており、あれだけの機材を集めているとさすがにソフト自体が2万でも総額はかなりのお値段になってしまうでしょう。安価で映画並みの3Dスキャン、というわけにはさすがにいかなかったです。ただ、モデルの使いどころやスカルプトの前段階作業用と考えると、十分実用に耐えうるモデルが出力できたかとは思います。