もう12月、今年もあと1ヶ月切ってしまいましたね、magorokuです。

 

今回は12月7日に行われた3Decemberについて、少し時間が空いてしまいましたが、レポートしたいと思います。

 

12月7日、六本木ラフォーレミュージアムで行われた3December、13時開始で19時終了という長丁場の中、大きく4つのプログラムがありました。

 

1つ目のプログラムはSmoke2013のデモンストレーション。まず、SmokeとFlameの歴史の説明から始まり、12月中旬に発売されるSmokeのデモンストレーションとして、実際にMAXで制作されたシーンをレンダリングし合成する一連の流れを見せながらツールについての説明をしていきました。レンダリングされたOpenEXR素材をノードでつなぐ合成のデモンストレーションはFlameを意識したものとなっており、また、AutoDesk製品ということでFBXファイルをインポートできるという主要3Dツールをすべて持つAutoDeskらしい強みを見せたデモとなっていました。

と、実際に会場にいる大半の人たちが3DCG、VFXを主要業務にしている人たちであることを考えれば十分なデモンストレーションだったと思います。ただ、正直自分には物足りない会だったなと思ってしまいました。まず、Smokeというのはメインは映像編集のツールであり、ノードベースの合成をするならハイエンドならFlame、ソフトウェアベースなら今流行のNukeがあるので合成ツールとして考えるならSmokeという選択はちょっと考えずらいです。Smokeが今回MAC対応になってきたのはMACでのFCPの後釜ポジションを狙ってきてのことだと考えられるのですが、編集ツールとしては50万(+MACオンリー)という価格面で厳しく、また、今回のデモもCGツールのみの作業だったのでそこで実写の4K素材のデモなんかしてもらえるとよかったんじゃないかと思いました(ただ、これは実写側から見た感想なので・・・)

 

2つ目のプログラムはデジタルフロンティアさんの制作事例の発表3本立て。今年は各所で頻繁にメイキングセミナーを行ってきたデジタルフロンティアさんでしたが、今回はその総決算として、おおかみこども、バイオハザードダムネーション、鉄拳タッグトーナメント2とここ最近デジタルフロンティアが手がけた作品のメイキングを一挙に発表しました。会場にいる人たちの中では2度目となる人たちもいるとは思いましたが、日程的に参加できなかったり、人数締め切りで参加できなかったりとなかなか聞く機会のなかった自分にはまとめてすべてのメイキングを聴くことが出来てとてもラッキーなプログラムでした。各作品とも、制作スタッフ数、制作日数の発表、使われた技術という流れでのプレゼンが進み、おおかみこどもでは主に背景CG制作について、ダムネーションではキャラクターのRiggingとFacialAnimation、Alembicによるデータ管理について、鉄拳タッグトーナメント2ではスタジアム全般のモデリング、ライティング技法とリニアワークフローについて、と各作品ごとに深く記事にできるほどノウハウの詰まった発表でした。発表の節々で社内ツールについての話を聞くにつれ、デジタルフロンティアさんのように内部でツールを作ることができるのはここ最近のデジタルフロンティアさんの制作の質の向上につながっているんじゃないかと思いました。

 

3つ目はWoWさんによるFXセミナー。実際にFumeFX、Krakatora、RealFlowで制作された作品のメイキングとして、明日から同じ作品を作れる方法を発表するという太っ腹な内容でした。実際に本ブログでもAbiさんによるKrakatoraのメイキングや検証記事は人気コンテンツであり、今もアクセスが多いことから多くのFXアーティストにとって有意義なプログラムだったのでしょう。FX系プラグインについてのセミナーで実際に作業をその場で見せるというのは数値等感覚としてつかみづらい各パラメーターの意味を理解する手助けとなったのではないでしょうか?

 

4つ目はカプコンさんによるバイオハザード6についてのメイキングセミナー。キャラクター、エフェクト、アニメーションについてのプレゼンテーションでしたが、実際にMaya、Maxといったツールを使う人向けというよりゲーム制作者向けの内容のプログラムで、ゲーム内でいかに処理をされ、そのためにどのようにデータを作っていくかという話がメインで、テクスチャ削減のためのRGB要素ごとにテクスチャを持たせるデータ制作過程や、InGameでのアニメーションの管理や制作チームの分割といった話がなされており、かなり難しく中身の濃いプログラムでした。ただ、実際にゲーム会社で仕事をする、ゲーム会社と仕事をするといった場合にこのような知識があるとより円滑に仕事を進められるのじゃないかなぁと思いました。

 

と、ちょっと駆け足的ですが、3Decemberでのプログラムをまとめてみました。とにかく長い、でも各回ともとても内容が濃く、終わった後は聞き疲れ状態になるほどでした。このようなイベントを通して普段中々聞けない国内大手プロダクションの技術を見ることができるのは、フリーとしても大変ありがたいことですし、自社のパイプラインの見直し改善する手助けにもつながると思いました。こういったイベントを年1で行ってくれるAutoDeskに感謝ということで今回のレポートを終わりたいと思います。(あとはもうちょっとAutoDesk製品安くなってくれないかなぁ・・・)

 

3December参加者プレゼントのノート

3December参加者プレゼントのノート