photoscan検証2回目、今回は材質についてまとめてみました。

 

表面材質の違いによるスキャンの検証のため、素材の違うボールをスキャンしました。

集めたボールはバスケットボール(表面に突起がある)、バレーボール(表面がつるっとしている)、色付発泡スチロールボール(表面がざらついている)、羽毛ボール(表面が毛で覆われている)です。これもボールを単体で撮影した場合、検証1と同じように円と認識されてしまいうまく3D化できませんでした。(マスクを抜いた場合も同様)なので複数ボールを一度に撮影した画像を元に検証しています。

 

 各ボールについて、3D化してみた結果は以下のようになりました。

写真1 各種ボール

写真1 各種ボール


balls

写真2 ボールスキャン結果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・バスケットボールは形状、模様もきれいにとることができました。これは、表面にバスケットボール特有のぶつぶつがあり、また表面に模様がついていたので写真から形状を作りやすかったのだと考えられます。

・羽毛ボールですが、これは球の形状はある程度再現されてはいますが、表面の羽毛のふわふわ感はうまく形状をとることができず、膨らんだ毛の形が硬質なものとして生成されているようです。(ちなみに、羽毛の形状は不得意とヘルプには記載されています)

・発泡スチロールのボールですが、これはきれいに球の形状をとることができました。この発泡性のボールですが表面がざらざらした材質であったのが、球でもきれいに形状がスキャンできたのではないか、と考えられます。

・バレーボールは検証その1のときのように上半分しか3Dデータを生成できませんでした。表面がつるっとした材質のものは複数の方向から撮影した素材も方向を認識することができないようです。

 

 

 実際、ボール以外にもいろいろなものを撮影しました。例えば、人間の顔ですが、鼻や目だけでなく頬の起伏といった形状的に凹凸があり、そして皮膚は一色ではなく、色の差異が細かくあるので、正確に3D化することができました(写真3)

 また、ペットボトルのような表面材質が滑らかなものは、バレーボールのときのように複数方向から撮影した素材でも半分しか3D化できません。ラベルの部分に関しても色の差異があり、前面は3D化されていますが、やはり半分しかデータ化できませんでした。(写真4)

 

写真3 顔スキャン


ペットボトルは半分しか3D化できず

写真4 ペットボトルは半分しか3D化できず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この球による検証から、スキャンに重要とされる要素は

・形状に凹凸がある

・表面に細かい起伏のある質感(ざらざら感)

・細かい色の差異

ではないか、と考えられます。実際、チュートリアルであるような石像は、表面の材質にの差異がありこの2つの要素を満たしており、photoscanに最も適しているようです。

 逆に、検証で使用したような表面が滑らかなバレーボールやペットボトルのような材質のものは適していないようで、ペットボトルのラベルのように模様があったとしても材質が滑らかなものではスキャンはうまくいかないようです。また、羽毛のようなものでは、形状はとることはできても毛の柔らかな質感をスキャンすることはできず、毛も硬質なものとしてスキャンされてしまうようです。

 

 今回は材質についてまとめてみました。発泡スチロールの単一色の球が思いのほかきれいにスキャンできたのを見ると、凹凸の有無がなくても表面材質によってはきれいに3Dデータ化することができるようです。