以前VRayMtlについて書きましたが、その後使っているうちに色々分かったことをまとめます。
前回の私的メモと重複する内容もあります。
Reflection
【Reflect】
●VRayMtlのリフレクションとスペキュラの関係性は標準マテリアルやA&Dマテリアルとは少し違うので注意が必要。VRayMtlは現実世界の法則に則しているので、乱反射のまったく無い(Refl.Glossinessが1の)素材にはスペキュラが現れない。ただしその場合は写り込みにブラーがかからず、光源がはっきりと写り込むことになるので、そのあたりを混同しないように。逆に大きなスペキュラが現れる物質は表面で乱反射がおこり(Refl.Glossinessが0.9以下ぐらい)、写り込みにブラーがかかる。
●Reflectカラーが白に近づくにつれフレクション(反射)は強くなり、白で全反射となる。全反射の場合はディフューズや屈折は効果を示さなくなる。
●Reflectカラーとスペキュラは比例関係にはなく、反射が強ければスペキュラが強くなるわけではない。
●Reflectカラーが黒(0)から黒に近いグレー(30)ぐらいまではスペキュラの強度(大きさが)が変わるが、そこから白(255)まではほとんど変化しない。※あくまでも感覚的なものです!
【Glossiness】
●Hilight Glossinessのロックは、反射のボケ具合とスペキュラのボケ具合を分けて設定する際に外す。ただしその場合現実世界の法則とは異なる。
●Refl. glossiness(光沢)が0.9~1のときはほとんどスペキュラが見えず、値がそれより下になるにつれ見えてくる。
●反射はほとんどないが強いスペキュラは欲しい場合(現実的にはそのような物質はほとんどないが)、ほとんど黒に近いReflectカラーで、Refl. Glossinessを0.7~0.8あたりに設定する。
●Subdivsは反射のブラー精度を決める。
【Interpolation】
●Use Interpolatiorにチェックを入れると、反射の光沢を疑似的に補完しレンダリング時間を大幅に減らしてくれる。イラディアンスマップを使用している場合は、反射と屈折の InterpolationのMin/MaxイラディアンスマップのMin/Maxと合わせると良い。ただし、GIの設定によってはこれをオンにしていると奇妙な結果となることがある。
【Reflection Fresnel】
●チェックを入れるとフレネルの法則に基づき反射が計算され、ロックを外すとIOR値を設定できる。
●リフレクションのフレネルは標準マテリアルやA&Dマテリアルのようにカーブで確認できないので完全に物理的数値として正しく設定することになる。現実世界に即してIOR(Intdex of Reflection)値は1~2の間に設定すること。
●フレネルをオンにしても、反射の強度とボケ具合は同じようにReflectとRefl. Glossinessで調整する。一見するとIORを上げると反射が強くなるように感じるが、それは正しい解釈ではない。
●Max depthは最大反射深度。Exit colorは反射回数がMax depthを超えたときに上書きされる色。
Refraction
●概念はReflectionとほとんど同じ。
【Fog】
●Fogカラーは透明度にくもりを持たせる。くもり具合は白(255)から少しだけ色を持つ(250)の間ぐらいで決まり、それより色を濃くしても効果はほとんど変わらない。
●色の付いたガラスはDiffuseカラーの方で表現する。
Translucency
●Refractカラーで透明度を若干持たせなければ効果が出ない。ただA&Dマテリアルと違い、上げすぎると普通に透明になっていくので気をつけること。
●板ポリだとなぜかポリゴンの裏側にしか効果が出ないような・・・。
【Type】
●トランスルーセントのタイプを設定する。
Hard modelはロウソクなどの閉じたモデルに使用する。Soft modelは海面などの閉じられていないモデルに使用する。Hybrid modelはSSSの効果をリアルに設定する。