こんにちは。ILメンバーのYujiです。
今回、SIGGRAPH 2011のJob Fairに参加して参りましたので、そのレポートをさせて頂きたいと思います。
簡単に自己紹介させていただくと、2010年秋にCG専門学校を卒業後、海外での就職を目指して、資金等を貯めつつHoudiniを独学で学び、今回のSIGGRAPH 2011にあわせてバンクーバーにやってきました。FX Artist志望です。
まず、簡単にSIGGRAPH(以下シーグラフ)で開かれるJob Fair(以下ジョブフェア)についてご紹介させていただくと、主催は、creativeheads.net という就職活動用webサイトです。
今回の参加企業は以下の通りです。
AnimationMentor.com
Animal Logic
Arc Productions
Bungie, Inc.
Capcom Vancouver
Double Negative Visual Effects
Framestore CFC
Image Engine
LAIKA
LucasArts
Method Studios
Microsoft Studios
The Mill
Pixomondo
Rhythm & Hues Studios
Riot Games
Sony Pictures Imageworks
Walt Disney Animation Studios
今回は、3日間開催されていたのですが、webでは8月11日のみの記載だったためか、初日は押すな押すなの混雑っぷりでした。
シーグラフのジョブフェア自体はご存知の方は多いかと思うのですが、いざ会場に来て、どのようにリクルーターと話していけばいいのか、それは誰も教えてくれません。
僕も、当日、現場に来てはたと気づいた疑問でした。
これ、どうやるんだろう。。。
横に突っ立てる会場スタッフに聞いても教えてくれるわけではないので、まずはみんながどのようにしているかと観察することから始めました。

Frame Stoneに並ぶジョブシーカー。まずは握手から始まります。

こちらはILMのリクルーター

プロの方、学生、国籍問わず様々な方が来ていました
会場を2,3周回って出た結論としては、手順はたったの2つ。
1.リクルーターに話しかけるために、出来ている列に並ぶ
2.順番が着たら、にこやかに話しかけて自己アピールする(英語で)
・・たったこれだけです。
うーん、簡単ですね!!
しかし、問題は話す内容です。
これは、横で聞いていてもよくわからなかったので、当たって砕けろで話してきました。
結果、試行錯誤して、自身のテンプレになったのは以下のとおりです。
挨拶⇒自己紹介(名札を見せて名前アピール)
⇒自分の職種を伝える(モデラー、リガー、アニメーター、FX等)
⇒今現在このポジションで募集しているかどうか、してなければ今後の予定はどうか
⇒興味を持ってくれたら、レジュメとカバーレターを渡しながら、自己アピール
⇒さらに時間があれば(難しいですが)リールを見せつつアピール
⇒リクルーターの反応がよければ、今後の自分のステップを聞く
(返事を待つのか、どこかにメールするのか)
⇒リクルーターの名刺もらうか、相手の名前を確認して、自身の連絡先を再度強調
⇒別れの挨拶
こんな感じです。
後ろに長い列が出来ていることがほとんどなので、話せて5分程度でしょうか。もちろんリクルーターが興味を持ってくれれば、もっと話す時間は延びると思います。
ただし、リールはどこも見てくれませんでした。やはりこれだけの人数がいると、いちいちリールのチェックはできないんでしょうね。
なので、ツールは、レジュメとカバーレター、ビジネスカード、できればポートフォリオがあると効果的だと思います。
また、自分のように英語力がいまいちだとなかなか話を膨らませられませんでしたが、英語圏のジョブシーカーでキャリアのある方などは、長々と話をしている人もいました。
(ただし、これがリクルーターへの印象が良いかは別)
さらに、本当に欲しい人材だと思われると、あるいは事前にアポイントメントを取っている人は、その場で別室に連れて行かれて面接される人もいるようです。

ジョブフェアでうわさの?隠し部屋

デモリール確認用のディスプレイも完備!
自身の活動としては、これまでのキャリアがないため、インターンのポジションでFxアーティスト見習いで入りたいという方針で各社と話してきました。
バンクーバーに会社・支店があるプロダクションを中心に回りましたが、ロンドンのプロダクションにも一応アプライしてみました。
ロンドンでは、インターンでビザは出せないということでしたが、シンガポールならビザが出せるというところがありました。
ただ、アメリカのみで活動している企業は、ビザ要件が厳しいと聞いているので今回は見送りました。
各社とも、反応は様々で、名刺だけ渡されて、オンラインで登録してくれ、レジュメもリールも受け取らない、という所もあれば、
話を聞いてくれて、名刺や、今後のステップまでちゃんと話してくれるところもありました。
これは、各社の方針でばらばらだと思います。
でも、どちらかといえば、丁寧に話を聞いてくれる企業が多かったなという印象です。
想像では、もっとシビアな感じで対応されると思ったのですが、意外にリクルーターの方がフレンドリーで驚きました。
ただし、結果に繋がるかはまた別で、これだけの人数が来ていることを考えると、一人一人のことは覚えていないと思いますし、
その場はその場として、その後の、リール、レジュメのチェックで冷静にふるいにかけられるのだと思います。

Sony Pictures Imageworksのブース

method studio

The MILL とDouble Negathive

地元のImageEngineは人気でした
今回参加してみて、
準備等での反省点
・事前の企業情報の把握⇒手がけたどの仕事が好き等聞かれることも
支店がどこにあるのか⇒ここなら空いてるけど来れる?と振られる
・DVD再生機器の準備⇒ipadなどがたぶん手軽で最適
・リクルーターの名前を確認できなかった⇒サンクスメールを送る際に不利
・ショットブレイクダウンが用意できなかった⇒説明しやすい
・英語力⇒コミュニケーションを取るために必須
・ポートフォリオの準備⇒持ち帰ってもらえるように一枚紙の裏表に、静止画でスキルが伝わるものを載せて、見せながら話せると効果的だなと思いました。
モデラーの方は特に有効だと思いますが、FXやアニメーター等他職種でも工夫次第でできると思いますし、デモリールを見せられない状態でどうやって自分のスキルをアピールするか、というための工夫は必要だと思いました。
・レジュメ、カバーレター、リールなどをまとめて入れられる封筒⇒これは、渡す時にバラバラにならないためにも必要だと思いました。
さらにその封筒にも上記のように自身の作品がプリントされていると、効果的ですね。
・事前のアポイント取りができていなかった⇒後ほど詳述
良かった点
・簡単にでも自身のwebサイトを作ってた点⇒リクルーターにわかりやすい
・レジュメにLinkedInのアドレスを載せていた点⇒同じくアクセスしてもらいやすい
・同じくレジュメに連絡先をわかりやすく明記していた点
・10日前に現地入りしてある程度耳が慣れた状態で挑めたのは良かった⇒時間が余裕がある方にはお勧めです。
・ワーキングビザ(ワーホリビザ)を持っていた点
そして、ワークビザに関して。
やはりないよりはあったほうが良い、とうのが正直な感想です。
バンクーバーの企業では、カナダのワークパーミットを持ってるかは必ず聞かれました。
そしてロンドンのプロダクションからは、ワークパーミットがないと、インターンは無理だとも言われました。
ただ、もちろん、大手はビザサポートをしてくれる所がほとんどだと思いますので、キャリアのある方にとっては、必須ではないと思います。
リクルーターの方も、僕もサポートしてもらってるから(スキルがあれば)心配ないよ、といってくれたところもあります。
ただ、インターンでアプライする場合は、現地ビザがあった方が良いのではないかと思います。
キャリアのあるArtistならまだしも、見習いにビザサポートしてくれるかは難しいのではないでしょうか。
例外として、シンガポールやアジアの支店では、サポートコストが安いようで、そこならokという所もありました。
持っているスキルによって対応は様々でしょうが、ワークビザがあればアドバンテージだと思います。
そういう意味で、ワーキングホリデーを使って就職活動に臨むのは、よい方法の一つだと思います。
最後に、自分が初めて参加してみての感想ですが、やはり、ジョブフェアは飛び込み営業のようなもので、ここからの成約の可能性は未知数だと思います。
本当に結果を出すのであれば、リールを作りこんで、事前にwebやLinkedINなどでリクルーターにメール等でコンタクトを取り、当日のアポイントをしっかりと取って、別室でじっくりリールを見てもらいながらやりとりする、というのが成功に一番近い道なのかなと思います。
また、リクルーターはcreativehead.netからめぼしい人物をピックアップして、コンタクトを取ってくるという経験者の方のお話も聞きました。
やはり、事前のコンタクト、準備が重要なのだと思います。
ただ、海外での就職経験の浅い、あるいは自分のように卒業して未経験の人材には、直接リクルーターとのやりとりをしたり、リールやレジュメへの生の反応を見れる、コネクションを作れる貴重な機会になると思います。
まずはがつんと正面からぶつかって、翌年や翌々年に、事前に準備しアポをとって、じっくり臨む、というのが良い方法かもしれないなと思いました。
以上、雑駁ですが2011年のシーグラフジョブフェアのリポートです。
僕自身、結果がまだ何も出ていませんので、上記の方法が決して正しい訳ではありません。これだけはご注意下さい。
もし来年以降参加される予定の方は、この情報はあくまでも参考程度に見て頂いて、しっかり結果を出されている先輩方のご意見を頂いた方がよいと思います。
間違いなくそれが成功の一番の近道だと思います。
当記事の記載内容について、ご意見やご質問、ご感想などあれば、お気軽にコメント頂けると幸いです。
また、宣伝になってしまい恐縮ですが、自身のblogでも今後のカナダでの就職活動の経過などを書いていく予定です。こちらも併せてご覧いただけると幸いです。
どうぞよろしくお願いします。